吃音症経験後記 〜大学3年〜

吃音

大学3年生のイベントは

・見学実習(1週間)

・OSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)

・評価実習(5週間)

この3つでした。

大学3年ともなると、重要な実習やテストが多くなっていきましたね笑

それぞれを軽く説明すると

見学実習は、数人で同じ介護老人福祉施設に1週間見学させていただきました。利用者やスタッフとのコミュニケーションや礼儀などをはじめ、様々のことを学びました。

OSCEは、評価実習や臨床実習に行く前に、学生のレベルを見極めるためのテストです。礼儀・マナー、評価、症例に対しての知識や考え方、治療方法などを模擬患者を見立てて実際に流れを行い、大学教員、臨床で活躍する先生に評価してもらうものです。

評価実習は、病院や施設にいき、実際に評価して治療方法を考えるまでの実習となります。ほとんどが1〜2人程度の患者様を担当することが多いと思います。

これらは、吃音症とか関係なく毎年数人は不合格になるほど、大変で辛いです。

先生方にも覚悟して臨むようにとおどされてました笑

ですので、私は、デフォルトで辛く大変なことプラス吃音症という厳しい状況を乗り越えなければならず、3年生になった瞬間から嫌だなーと思っていました。

この頃は、吃音症の症状としては発表や電話で吃ることがあり、1対1での会話ならば比較的吃らずに話すことができていました。

見学実習編

まず、最初に、見学実習が9月にありました。

実習で、個人的に吃音で辛い場面は、この電話と、初めの自己紹介的な挨拶、終了時の発表です。

はじめに、実習前に電話をして当日の持ち物や集合場所などを聞かなければなりません。電話はすごく吃ってしまうので、できればしたくなかったです。なので今回は恥しながらもう1人の人に電話してもらいました。

電話をしてもらえただけで、ものすごく気持ちが楽になりました。

次に、実習がスタートし、最初の難関の受付で話すとこからスタートしました。普段はあまり1対1では吃りませんが、緊張しているので吃る可能性があり、心配していました。

いざ、始まってみると、割と普通に話すことができました。本当によかったです。

そして次に、自己紹介になりました。なぜかこの日は調子がよかったのか、緊張はしていましたが、吃る気がまったくしませんでした。順番で名前と意気込みを言って行く感じでテンポよく手短に済ませる感じでした。

緊張はしましたが、名前、意気込みとしっかり言うことができました。本当によかったです。

これで、吃音症的な大変なところは乗り越えました。次は、ちゃんと実習の大変さが待っています。今回は、見学実習ですので、先生についてリハビリ見学をするような流れです。

適宜、わからないことなどを質問をしていきます。この質問では、吃らなかったです。先生によりますが、簡単な評価をさせていただくこともありました。また、利用者様との会話の時間を作ってもらったりもしました。

空き時間や帰宅してからは見学したことを、レポートにまとめて翌日に提出しなければなりません。ただ、感想みたいのを書くのでは、内容が薄いので、自分で色々と調べて新しい知識をつけるために勉強しなければなりません。要領のいい人は1時間程度で終わるかもしれませんが、私はもっと時間がかかってしまいました。でも、しっかり睡眠時間は確保できていたので、ものすごく辛くはありませんでした。

こんなような感じであっという間に1週間が終わりました。

最後に、軽く挨拶など済ませて、実習は無事に終わることができました。

そして、大学に戻ってまとめの発表をすれば、この実習は全て終了となります。ですが、この発表が問題です。

2人で10分の発表でしたが、私にとってはとても長く辛い時間です。

最初の、一語が出ればその後は割りと話続けることができるので、最初がすごく緊張しました。

読む練習をして準備もしっかりしました。しかし、準備をしても吃るものは吃ってしまいます。

結局、最初は吃ってしまいました。「えーと」を数回繰り返してから、やっと話始めることができました。少々、変な間ができてしまい気まずかったです。

でも、発表自体は無事に最後まで話せて終わることができました。

この1週間は長くもあり短くも感じました。

OSCE編

OSCEは、11月にありました。実習からは約2ヶ月ほど後になります。

その間には普通に学校生活があり、テストもあったりして大変ではありました。

OSCEの準備期間は約3週間ほどありました。

3週間前に2つ症例が提示され、その症例に対して、移乗や介助、評価方法や治療方法など考えて、患者に説明、実施する流れを練習しました。

本番は、大学の先生、現場で働く理学療法士の合計で5人くらいに見られながらやらなくてはならないため、ものすごく緊張します。

私の場合、吃音との戦いもあるのでより一層、厳しく大変なテストになりました。

本番は、吃音が出ると想定して、他のことは完璧にするくらいの気持ちで練習しました。クラスの全員が毎日学校が閉まる直前まで練習するような感じで、なんとか乗り越えようという雰囲気ができていました。

また、この練習の時間でいつも一緒にいる人ではなく、あまり話したことがなかった人とも話したりして、吃音の練習も少々できました笑。

しっかり練習してある程度の自信を持てるくらいにはなっていました。最初は、挨拶、自己紹介、内容の説明といった流れで、みんなで言う言葉や文章をある程度考えて、ずっと練習したため、吃音も日に日に出なくなっていきました。

この練習を通して、吃音も発声練習的なものが必要なのかなと思いました。もちろん人によって効果などは様々だと思います。

そして、OSCE当日になりました。 前日から、緊張してよく眠れませんでした笑。

順番は、最後から2番目でした。なので、OSCE開始時間から1時間半から2時間ほど後にやることになりました。その時間で、最終確認の練習をすることはできましたが、緊張もずっと続きます。心臓バクバクで具合が悪くなりそうでした。

そんなこんなでようやく順番が回って来ました。

最初は、自己紹介です。「はじめまして。リハビリを担当させていただきます。〇〇の〇〇です。よろしくお願いします。」からスタートします。この文言を言えるかどうかで、この先の調子に大きな影響が出ます。

どんなに練習してもやはり癖で「えー」を数回繰り返してしまいましたが、なんとか文章をいうことができました。最初は、軽く吃ってしまったのでヤバいかもと思いましたが、最初以外は割とすらすら言うことができました。自分的には、もう少し吃ると思っていたので、びっくりしました。

最初にしっかりと話すことができたので、その後は、割と普通に話し続けることができました。本当によかったです。

1人目は無事に最後まで終わることができました。

そして、2人目がスタートしました。2人目の自己紹介でも吃ることなく話すことができました。しかし、最後の最後で苦手な母音から言わなければいけなくなってしまい、そこで吃ってしまいました。体感で5秒程度の間があったと思います。でも、深呼吸して落ち着いたらなんとか話すことができました。

吃音での失敗はありましたが、本題の実技などはうまくいきました。自分なりにはよくできた方だと思います。

しかし、終了後のフィードバックで、最後の吃ったところを少し注意されてしまいました。その先生は、もちろん私が吃音症であることなど知りませんので、シンプルに気になったのだと思います。

「患者様の前で、黙りこくってしまったら、患者様が不安になったり、大丈夫かなと心配になったりするかもしれないよ」みたいなミュアンスのことを言われました。

本当のことなので、反論はせず、「緊張してしまって頭が真っ白になってしまいました。次からは気をつけます」的なことを言ってその場は乗り切りました。

OSCEを通して、吃音のことで注意されたのが、これだけだったので自分としては合格点をあげて良いと思いました。

何はともあれ、無事にOSCEを終了することができました。

合格不合格は1週間後に発表されました。

例年、数人は不合格になるので、心配で仕方なかったです。友達も同じで、絶対に合格したと思っている人はいませんでした。

そしていよいよ発表の日が来ました。

なんと見事に合格することができました。

それはもう嬉しかったです。一緒に練習してた友達も合格だったのでなお嬉しかったです。

結果としては、受験者の3分の1程度の人が不合格でした。後々に、先生に詳細を聞きに行ったら、合格点ギリギリでした。あまり浮かれてられないなと思ったので、勉強や練習など頑張ろうと思いました。

私の大学はOSCEで不合格になっても、補講を受けて再テストをして合格すれば実習に行けるようになります。他の大学では、OSCEが不合格なら留年になるところもあるらしいのです。

とにかく、無事に一発合格でき、吃音もあまり出ず話すことができたので、少しだけ自分に自信が持てるようになりました。

評価実習は少々長かったので別の項目で書こうと思います。

最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。

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