吃音症経験後記 〜大学2年〜

吃音

大学2年生

大学1年生は、最初は吃ることが多かったですが、大学生活に慣れるとともに症状も軽減していき、日常生活での会話はほぼ吃ることがないほどになっていました。しかし、電話や発表などでは、まだまだ吃っていました。

そのような感じで、1年間はあっという間に過ぎていき、大学2年生になりました。

吃音の症状に、変化はありませんでした。ですので、たまにある授業での発表を乗り越えれば吃音で困るようなことはありませんでした。

大学生活も順調で、そこそこ楽しく過ごしていました。ドラマや映画のようキラキラした大学生ではないですが笑  

バイトと勉強とでそこそこ忙しかったので、ほどほどに遊んでいました笑

実習編

そんなこんなで、大学2年も半分ほど過ぎました。

そして、とうとうはじめての実習が始まろうとしていました。

理学療法士の大学なら実習は必ずあるもので、覚悟はしていましたが、数週間前からずっと不安と緊張で頭がいっぱいでした。

私の大学は、2年は1週間の見学実習という形で行っていました。

「1週間なら楽でしょ」と感じる一方で、「1週間長いな」とも思っていました。

担任の教授の知り合いの方が、スーパーバイザーだったので、吃音症だということを軽く伝えてくれていました。それだけでも、少し気楽になれました。

実習では、たくさんの緊張する場面があります。まずは、実習開始の1週間前には実習先に電話をしなければなりません。私は、電話が特に苦手だったのですごく嫌でした。自分の名前をいうので吃ってしまうので最初が特に苦手でした。

しかし、やらなければ、何も始まらないし変わることができません。失敗してもいいやと半分やけくそみたいな気分で電話することにしました。

すごく緊張していましたが、いざ、電話してみたら少し吃ってしまいましたが以外と普通に内容を伝えることができました。

普通の人と比べたらお粗末なものだったかもしれませんが、私的には満足でした。

そしていよいよ、実習がスタートしました。

まず、初めに病院全体の朝礼に参加しました。そこには、各部署から数人ずつが集まりざっと50名くらい、いらっしゃったと思います。そこで、看護師、リハビリなどで実習をする学生の軽い挨拶がありました。

大学名、名前、意気込みなどを言わなければなりませんでした。

自己紹介はすると思って覚悟はしていましたが、ここまで大人数の前とは思っておらず今までにないほど緊張しました。

流石に、吃ってしまって自分の番になってから、数秒の間ができてしまいました。大学名の最初の文字が全く出てこなくなってしまったため、咄嗟に、「おはようございます」と言ってしまいました。それに続けて大学名、名前、意気込みとすらすら言えました。他の学生とは違う言い回しだったので少々変な雰囲気になってしまいましたが、無事に終わることができました。

最初の一言を声に出すことができたため、今回は成功することができました。

次に、リハビリ室に戻って、リハ科の朝礼がありました。もちろん、そこでも自己紹介がありました。

この時は、あまり吃ることなく言うことができました。2回目だったかもしれませんが笑

無事、自己紹介などの苦手なことが終わりました。

実習内容は、理学療法士についてリハビリを見学し、1人の患者様が終わったら、症状の説明や質問などをして、また次の患者様に行くという感じでした。2人で話す時は、吃る回数が少なく、普通に話せることが多かったため、話すことに関しての緊張はしませんでした。 でも、普通に実習に対しての緊張はしてました。

なんだかんだで、無事に初日が終了しました。フィードバックなどが終わって帰宅しようとリハビリ室を出ようと「お先に失礼します。お疲れ様でした」と言おうとしたら、「お」が出てこなくて吃ってしまいました。

リハ室の出入り口で30秒くらい立ち止まって変な感じになってしまいました。

深呼吸して落ち着いて、もう一度「お」を言おうとしたらなんとか言うことができました。

自分でも、吃らないようなところで失敗してしまったので、びっくりしましたし、悔しかったです。

最後の最後で失敗して気分は最悪でしたが、落ち込んではいられません。1日で学んだことをレポートにまとめなければなりません。気持ちを切り替えて、作業しなければなりません。

最初のレポートだったので時間がかかりましたが、しっかりと睡眠時間は取れました。

こんなような感じで実習は進んでいきました。

自分的には、吃音症と実習と2つのことを、行っているような感覚でみんなよりも大変だったのではないかと思います。

順調に実習に進んでいき、1週間が経ちました。

最後に、一言挨拶しなければなりません。実習が始まってから最後に覚悟はしていましたがやはり緊張するものです。

朝礼で、挨拶することになっていたのですが、朝礼が長くなって時間がなくなったため、帰る時に軽く挨拶することになりました。皆さんの注目が一点に集まる朝礼ではなくなったので幾分、緊張はしませんでした。やはりどんな状況でも、最初の文字は吃りやすくて、少々吃ってしまいましたが、変な空気になることなく、無事に終わることができました。

今回の実習は1週間しかなかったため、なんとか乗り切ることができました。

吃音症でも実習は乗り切ることができたので、自分の中で大きな自信になりました。

もちろん、コミュニケーション面は、100点とは言えないかもしれませんが最低限のコミュニケーションは取れたので、次に活かせることができると思いました。

大学2年生後半

実習も無事終わり、大学での生活に戻りました。

大学に入学した頃よりは、自分に自信が持てるようになっていたので、吃ることも少なくなっていました。授業などでの発表などを除いたら普通に話せるし、日常生活で困ることは少なくなっていました。

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