吃音体験後記 〜評価実習 後編 + 発表編〜

吃音

はじめに

前回に引き続き、評価実習について書いていこうと思います。

前回は、5週間あるうちの開始前から1週間を書きました。

2〜4週間は特に大きなできごとはなく、繰り返しに日々でした。

ですので、最終週である5週目を主に書いていこうと思います。

ぜひ、最後までご覧ください!!!

評価実習2〜4週目 

実習の2〜4週目は、他の大学からの実習生が来ました。2年生で1週間の見学実習でした。2人で実習に来てたので、合計で3組6人が来ました。 初対面の人が来たということは、自己紹介などの吃りやすい場面が待っています。

実習生が自己紹介する時に、リハビリ主任から軽く紹介してもらい、自分の大学名と名前を言うだけだったので、心配して損するくらい楽に終わり吃ることもありませんでした。

実習2周目は、リハビリ見学を主にしました。また、リハビリ見学と同時にケースに対しての評価も実施していきました。

リハビリ見学は、私を含め3人でリハビリ主任について行いました。1週目に見学させていただいた方では、新しくきた実習生に向けて先週聞いた説明を聞かなければなりませんでしたが笑

流石に緊張しいの私でも、環境にも慣れて緊張もほぐれたので、先生への質問や利用者様との会話も余裕を持って行うことができるようになりました。

ケースに対しての評価は、1週目同様に、自分で考えて準備し、実際に実施するという流れでした。

1つ嫌だったことが、私がケースの方に評価しているところを、実習生に見学されたことです。

実習生が1年後にどのようなことをするのかイメージさせるために、先生が提案したのですが、ただでさえ緊張して利用者様と会話できるか不安なのに、見学されるとなるとより一層緊張が増してしまいます。

やはり、最初の利用者様への挨拶と行う評価の説明の時は少々、吃ってしまいました。

でも、そこまで酷くはなかったので、伝えたいことは伝わりました。

次第に、緊張がほぐれていき、評価の最後の方は割と普通に話すことができるようになっていました。

結果としてはそこまで吃ることはなかったので、よかったです。

このケースに対する評価の見学は毎回ではなかったので、よかったです。

基本はこんな感じで、2〜4週目を過ごしました。他にもちょこちょこ変わったことがありましたが、また後で書こうと思います。

日中は比較的、楽になったというか、不安や緊張を感じなくなったので、余裕ができてきましたが、家に帰ってからが問題です。

日々のレポートはもちろんこなさなければなりませんし、評価項目の予習、練習も大切です。他に疾患について調べたりといった勉強も少々します。また。ケースの方のレジュメ作成が本格的になってきました。

なので、夜の方が忙しくて辛いものになってきました。

もちろん、息抜きのための時間はなく、睡眠時間も確保しなければなりません。

これが本当にしんどかったです。休日の睡眠を楽しみに頑張っていました笑

実習前から聞いていた、辛さを実感しました。でもこれでも以前よりか楽になっているらしいです、、、以前はどれだけ辛かったのか想像もしたくないですね

こんな感じの毎日が続いていきました。

その他に、何回か違った経験をさせて頂くことがありました。

ケースの方とは違う人に認知症の評価をする、ケアマネジャーと一緒に利用者様の自宅に行って家屋調査や福祉用具の設置場所の選定などの見学、地域のリハビリ体操教室に参加させてもらったりしました。

まず、認知症の評価から説明していきます。

ケースの方とは違う利用者様にHDS-R(長谷川式簡易知能評価)やMMSE(ミニメンタルステート検査)を実施させていただきました。

この評価はもちろん話すことがメインとなっており、最初から最後まで質問をしなければならないため、不安と緊張がすごかったです

しかし、蓋を開けてみたら心配して損して気分になる程大丈夫でした。

その理由は、利用者様の認知症が重度だったからです。会話が成立しないような感じの時もあるほどで、私の吃音のことや緊張していることは全く気づいていませんでした。

なので、それに気づいてからは落ち着いて質問をすることができました。

このことから、一つの気づきがありました。それは、何も気にせず話せば大丈夫だということです。

ですが、この普通のことができないから吃ってしまうのですが笑

なので、慣れれば何も気にしなくなってくるかなとこの時は思っていました。

こんな感じで、評価は無事に終了しました。

次は、ケアマネジャーと一緒に利用者様の自宅に行って家屋調査や福祉用具の設置場所の選定などの見学について説明します。

老健の入所者様が自宅に帰宅することになったため、家屋調査をする必要があります。

家屋調査では、担当していた理学療法士や作業療法士が同行する必要があります。

その理由としては、一般的な家屋では機能低下した高齢者では生活し辛い箇所が多々あります。ですので、生活しやすくするために福祉用具を導入したりします。その点を、利用者の家族やケアマネージャーと話し合いをしながら選定していきます。

今回は、本当に見学だけだったので、話し合いの邪魔をしないために、置物のようにじっと様子を観察していました。大学の授業でも家屋調査のポイントは勉強しましたが、実際に見学して学ぶと、認識の差が埋まってすごく良い経験になりました。

私にとっての問題のコミュニケーションでは、簡単な自己紹介とちょっとした談笑くらいであとは傾聴をする場面がほとんどだったので、吃音が出ることはありませんでした。

最後に、地域のリハビリ体操教室に参加について説明します。

これは、地域包括支援センターや市の支援センター的なところからの依頼で、公民館や自治会館などで高齢者向けの集団体操教室を行うことがあります。

今回はこの、体操教室に参加させていただけました。

人数は約10〜20名ほどでした。介護認定を受けている方もいれば、健康維持のために運動しにきている方もいました。ですので、認知症の方も少なく頭がはっきりとしている方が多かったです。

この体操教室の前日に、スーパーバイザーから参加することを言われたのですが、すぐに頭の中は大勢の前で自己紹介があるだろうなということです。

たかが自己紹介でも、大人数の前では発表と同じような感覚になってしまってうまく話せるかすぐに不安になりました。

実習期間で、何回不安や緊張に襲われたかわかりませんが、やっぱり慣れません。

でも、その時はきてしまいます。会場についてすぐに体操がスタートしました。

まずは、先生からの挨拶があり、自己紹介や行う内容などを説明しました。

次に、私の自己紹介と意気込み的なことを言いました。

やはり、最初は吃ってしまって少々間が空いてしまいましたが、一言目が出てしまったらあとは大丈夫でした。心配していたほど変な感じにはならなかったのでよかったです。

あとは、先生が前で集団体操を行うのを横で一緒にやりました。ここからは全く喋らなかったので大丈夫でした。

大学では、集団体操までは勉強してなかったと思うのですごく勉強になりました。

体操が終わってからは、ちょっとしたお茶の時間がありました。私たちは、10〜15分くらいで帰りましたが、30分以上はお茶の時間を楽しむそうです。

後から先生が言っていたのですが、体操を行いにくる人よりも、交流のためのお茶の時間を楽しみにしている方も多くいるそうです。

でも、それでも外に出て他人と交流することは良いことなので、きっかけ作りとして体操教室は良いのだと思いました。

何はともあれ、無事に終わりました。

こんな感じで、日々のリハ見学に合わせて特別な経験をさせていただけました。

評価実習5週目

評価実習最終週である5週目がスタートしました。

5週目は主に、リハ見学、ケースの方のリハ見学、日々のレポート、レジュメのまとめ作業、発表の準備などを行っていました。流石にやることが増えてきてラストスパートって感じでした。

特に、レジュメのまとめ作業がかなり時間がかかりました。一つ良くなったら、他のところがうまくいかなかったりと、いたちごっこ的な感じで一生続くのではないかと思うほど修正をしました。

結局、先生のOKを頂けたのは、終了の2日前でした笑

そして、そのレジュメを元にして、ケースの方に対してした評価の発表があります。

評価実習終了後に、大学でクラスの前での発表があります。実習先では発表は義務ではなく、時間が取れたりできればしてくださいみたいな感じでした。

私以外の実習先ではレジュメを作るだけで発表はしなかったところもあったそうです。

実習が始まる前からこの発表が嫌で仕方なかったです。しかし、発表しなければ成績を貰えないのでやるしかありません。

レジュメは、利用者様の基本情報や評価したことが目一杯詰まった状態なので、全部口頭で説明したらものすごい時間がかかってしまいます。ですので、10分で発表が終わるように必要な情報だけを抜粋して説明しなければなりません。

この作業も中々に難しかったです。苦労して作ったレジュメなので削りたくない気持ちが出てきて、抜粋するのに苦労しました。

なんとか頑張って、抜粋し発表の準備は完了しました。

今回の発表はリハビリスタッフの前だけで行いました。ですので、4人の前ということになります。

4人だけとはいえ、緊張するものはしますし、不安です。

何回か読む練習もして事前の準備は終えました。

発表(レジュメ発表)

そして、発表する時がしました。やはり最初は吃ってしまいました。今回はより緊張していたらしくいつもより吃りが強かったです。最初の一言が出てこなくて1分くらいの間ができてしまいました。

普段だったら長くても30秒弱くらい間があることはありましたが、今回はヤバかったです。1分間「えーと」を連発したり、無言になったりと気まず過ぎました。

なんとか、絞り出すようにして一言目を発することができて、次の言葉からはいつものようになりました。

ですが、やっと喋れるようになったのに、段落で一区切り着いた時に、また、一言目が出てこなくなってしまいました。この時は、10秒ほどで言葉を発することができました。これは、流石に焦りました。

こんなことは今までなかったので、自分でもびっくりしました。余程緊張していたのだと思います。

その後は、スラスラと話すことができました。

約10分間の発表で1分30秒ほどの発表していない時間を作っているしまっているので、きっと聞いてくださっている先生方は緊張以外の問題があるのではないかと思われた気がします。それに、ロスした時間を取り戻すために早口になっていたと思うので、さらに、聞きにくかったと思うと余計に先生方に申し訳ない気持ちで一杯になりました。

なんとか10分超えることなく発表を最後まで終え、質疑応答の時間になりました。

発表やレジュメを読んでいただき、疑問点や改善点をフィードバックしてもらえます。

1人1問程度の質問をしていただきます。

最初の質問は内容に関しての質問で、本当にレジュメの載せるべき内容なのかという事項についてでした。発表を終えてから良く考えたらそれほど重要な内容ではなかったので修正しました。

2、3問目も同様に内容に関する質問でした。

そして、少々問題だったのが、最後の質問です。それは、やはり吃音関係の質問です。

「緊張はしていたのか」「読む練習はしたのか」「何か対策は考えたのか」などなど叱責されるような感じではなく、優しい感じで質問していただきました。

もちろん、正直に準備してきたことを話しました。でも、「もう少し練習した方がいいかも」と言われました。

もちろん、その通りと思う一方で、吃音症だから練習しても意味ないのではと考えてしまう自分がいました。

時代的にも、そのような障がいに対して怒れないということもあって、怒られなかったのかもしれませんし、そこまで他人は気にならず(病的な意味で)、自分が気にし過ぎているだけだったのかもしれません。

本当のところはわかりませんが、自分的には、今できることはできたので悔いはないです。

何はともあれ発表は無事?に終了することができました。

実習総括

不安の中で始まった評価実習でしたが、無事に最後まで乗り切ることができました。

長かったような短かったようななんとも言えない日々でした。

吃音症で苦労することも多々ありましたが、注意されたり、怒られたりはしなかったので、ギリギリセーフだったと思います笑

ちょっと慣れれば、利用者様との会話や患者様との会話はこれから先問題ないかもと思えました。そのためにも、たくさん会話し場数を踏む必要があると感じました。

学校に帰ってから、スーパーバイザーからの評価を聞いたらABCの3段階評価のうちのAでした。

1番良い評価をつけてくださいました。例年、最初の現場での実習なのでCやBの評価を受ける学生が多いそうです。今年もその傾向にありました。私と他数名はA評価だったそうです。大学の先生にも詳細に実習で何をしたのか聞かれました笑

嬉しかったとはいえ、スーパーバイザーの優しさや期待を込めたA評価かもしれないので、これからも、勉強して努力していきたいと思いました。あと、吃音症の改善も頑張ろうと思いました。

吃音症とか関係なく、普通に実習をクリアする方法としては、しっかり挨拶をして大きな声でハキハキ会話し、印象を良くし、提出物をしっかりやることだと感じました。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。

いかがだったでしょうか? 少しでも吃音症のことを理解してくれたり、吃音症の当事者なら共感や助けになれればいいなと思います。

また、実習を控えている学生に少しでも参考になったり、実習がイメージできるような文章になっていれば幸いです。

次回は、コロナ禍に入っての臨床実習編です。

ぜひ、次回もよろしくお願いします。

ありがとうございました!!!!

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